腎細胞がんの薬剤耐性の克服のため、メトホルミン(Met)と分子標的治療薬との相乗効果を検討した。細胞株にてエベロリムス、アキシチニブ(Axi)、Metはそれぞれ濃度依存性に細胞増殖抑制効果を示し、特にA498においてMetの増殖抑制効果は高く、Axiとの併用で相乗効果を認め、有意にアポトーシス増強効果を示した。また、AMPK発現が上昇し、mTOR発現が抑制された。マウスモデルでは併用療法は相乗的に腫瘍増殖抑制を示し、VEGFの発現低下と腫瘍血管密度低下を認めた。 Metと分子標的治療薬との併用はAMPK/mTOR経路を介した新たな癌治療戦略となりうる。
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