研究実績の概要 |
前立腺癌細胞LNCaP, PC-3およびDU145を用いたヌードマウス前立腺癌in vivoモデル組織像の解析の結果、PC-3が最も再現性の高い浸潤傾向を認めた。PC-3前立腺癌モデルにおいて1) 癌が周囲組織に浸潤した先端部分であるinvasive front と2) 腫瘍の中心部で壊死像を認めない非浸潤部を同定し免疫染色を行った結果、Invasive front ではリン酸化E-cadherinおよびβ-cateninの発現低下を認めた一方で、リン酸化Akt, MMP7および9の発現が亢進していた。レーザーキャプチャーマイクロダイセクションによってinvasive front と非浸潤部分の選択的な切り出しを行い、microRNA (miRNA)の抽出とマイクロアレイを行いmiRNA発現パターンの解析により浸潤に関与するmiRNAの同定を試みた。個体間に若干の発現パターンの差が見られたが、invasive frontと非浸潤部分において有意に発現が異なるmiRNAを複数同定した。今後機能解析により同定したmiRNAと癌細胞逡巡との関わりを明らかにする必要がある。
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