研究課題/領域番号 |
25462501
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
大野 芳正 東京医科大学, 医学部, 准教授 (40266482)
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研究分担者 |
中島 淳 東京医科大学, 医学部, 教授 (10167546)
橘 政昭 東京医科大学, 医学部, 教授 (70129526)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / レグメイン |
研究実績の概要 |
平成27年度は、①低酸素状態によるlegumain発現の変化②前立腺がん細胞のマウス皮下移植モデルの作成、③前立腺全摘症例における予後解析 【低酸素状態によるlegumainの発現について】Legumainががん細胞の浸潤に関与することをin vivoで検証するためにDU145、PC3、C4-2における 低酸素条件下でのlegumain mRNAの発現を検討しましたが、正常酸素濃度でみられたような発現量の差は認められませんでした。このため培養液条件や酸素濃度の条件設定を検討しましたが、数日間の培養では細胞の急性障害のみが引き起こされるのみであり、これがlegumain発現に差がでない原因のひとつではないかと考えました。 【前立腺がん細胞のマウス皮下移植モデルの作成】使用マウスはNOD/SCIDおよびBALBc nu/nu、また使用した細胞株は造骨性骨転移巣を形成するC4-2と溶骨性転移巣を形成するPC3です。2×10^6/microLに調整した細胞浮遊液を背部皮下に移植しました。NOD/SCIDに対する腫瘍形成率はPC3、C4-2ともに90%以上であり、それぞれの腫瘍は4週間で腫瘍を回収しましたた。PCRでlegumainの発現を確認しています。【前立腺癌の前立腺全摘症例における臨床的検討】2000年から2010年までに当施設で前立腺全摘術を行った1381例のデータベースを元に検討を行いました。これまでに術前ホルモン治療の行われていない562例について血清コレステロール値とPSA再発の関連について解析、術前血清コレステロール値はPSA再発の独立予後因子であり、血清コレステロール値が10mg/dl高くなるに従い、PSA再発のリスクは0.925倍に低下することを報告しました(Ohno Y et al. Mol Clin Oncol, 2016 March)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
Legumainががん細胞の浸潤に関与することをin vivoで検証するためにDU145、PC3、C4-2における 低酸素条件下でのlegumain mRNAの発現を検討したが、正常酸素濃度でみられたような発現量の差は認められませんでした。このため培養液条件や酸素濃度の条件設定を検討してきましたが、至適条件の設定ができませんでした。数日間の培養では細胞の急性障害のみが引き起こされるのみであり、これがlegumain発現に差がでない原因のひとつではないかと考えました。がん細胞の増殖における低酸素環境は長期にわたるものでありこれを再現する必要があり、このための一つのモデルとして低酸素耐性株を作成することを考えています。
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今後の研究の推進方策 |
がん細胞の増殖における低酸素環境は長期にわたるものでありこれを再現する必要があり、このための一つのモデルとして低酸素耐性株を作成することを考案した。ごく最近他のがん研究領域の研究において低酸素環境で6ヶ月間継代培養した細胞では浸潤等に関わる遺伝子の発現が異なる可能性があることが報告されました。本実験も低酸素環境下で継代培養することで低酸素状態、legumain発現、癌の浸潤能に関する検討ができるのではないかと考えました。低酸素培養で上記細胞株の継代培養を開始しています。
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次年度使用額が生じた理由 |
DU145、PC3、C4-2における 低酸素条件下でのlegumain mRNAの発現を検討したが、正常酸素濃度でみられたような発現量の差は認められませんでした。ごく最近他のがん研究領域の研究において低酸素環境で6ヶ月間継代培養した細胞では浸潤等に関わる遺伝子の発現が異なる可能性があることが報告されました。本実験も低酸素環境下で継代培養することで低酸素状態、legumain発現、癌の浸潤能に関する検討ができるのではないかと考えました。低酸素培養で上記細胞株の継代培養を開始し、次年度まで研究期間の延長申請したため研究費を繰り越しました。
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次年度使用額の使用計画 |
低酸素耐性株作成と同株におけるレグメインの遺伝子、蛋白質レベルでの発現解析に使用予定です。
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