研究分担者 |
大野 芳正 東京医科大学, 医学部, 准教授 (40266482)
堀口 裕 東京医科大学, 医学部, 准教授 (60229234)
橘 政昭 東京医科大学, 医学部, 教授 (70129526)
橋本 剛 東京医科大学, 医学部, 助教 (10421033) [辞退]
権藤 立男 東京医科大学, 医学部, 講師 (90408097)
平澤 陽介 東京医科大学, 医学部, 助教 (10725310)
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研究実績の概要 |
NFκBなどの活性を阻害する目的で新規薬剤を開発し、泌尿器系癌に対する抗腫瘍効果などの検討を継続中であり、これまでの薬剤に改良を加えた新規阻害剤の50 μg/ml以下でのPC3細胞に対する抗腫瘍効果は50%以下であり、APO-BRDU Kitを用いたアポトーシス検出も5%と低値であった。さらに4番目ならびに5番目、6番目に改良を加えた新規阻害剤を6.25, 12.5, 25, 50μg/ml 濃度でJCA1に作用させたところ、生存率はそれぞれ111%, 97%, 67%, 89%ならびに112%, 99%, 86%, 105%、そして92%, 93%, 71%, 19%であり後者に有意な殺細胞効果が認められた。我々は以前より泌尿器系癌において悪液質が炎症性免疫応答と関連し、予後不良と直結する症候であることを見出しているが、骨格筋の著明な減少を示すサルコペニアは癌悪液質の中でも重要な症候であると考えている。進行性膀胱癌において、CT scanにてskeletal muscle index (SMI)をより正確に客観的に測定したところ、サルコペニア群では約41%死亡したのに対して非サルコペニア群では20%であり、前者で有意に癌特異的生存期間が短かった。既存の予後因子を含めた多変量解析にてサルコペニアは臨床病期、neutrophil-lymphocyte ratio (NLR)とともに有意な予後因子であり、それらを用いて術前の予後予測ノモグラムを構築した。去勢抵抗性前立腺癌は予後不良であり、ドセタキセルが施行された症例の生存期間は中央値で21ヶ月であった。多変量解析において、疼痛、CRP、貧血、PS不良とともにNLRが有意な予後因子であり、それらを駆使して予後の層別化が可能であった。これらの結果は進行性泌尿器系癌において炎症性反応が予後と深く関連していることを示すものである。
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