我々はラットを用いて、排尿中、前頭前野皮質におけるセロトニン濃度は有意に上昇することを確認した。これは、逆に前頭前野皮質のセロトニンを増加させることによって、排尿反射の抑制が確認され、逆にセロトニンを減少させることによって、排尿反射の促進を確認できた。すなわち、蓄尿時において前頭前野皮質のセロトニン上昇は中脳水道周囲灰白質を直接的あるいは間接的に抑制し、その結果排尿反射の抑制を起こす。過活動膀胱の患者の脳では前頭前野皮質の機能低下が示唆されているが、本研究の結果よりセロトニン濃度の減少し排尿反射の亢進をきたしている可能性がある事が確認された。本結果は、今後の排尿障害の創薬に有用な情報である。
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