研究課題
代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ1a(mGluR1a)遺伝子欠損(KO)マウスと野生型(WT)マウスの排尿機能を比較した。代謝ケージを用いた自発排尿行動評価において、WTと比較してKOは一日排尿回数が少なく、一回排尿量が多かった。シストメトリー法を用いた排尿反射評価では、KOマウスは一回排尿量、膀胱容量が著しく多く、最大排尿収縮圧が高く、排尿効率が有意に低下していた。過去の研究と併せこれらの結果は、mGluR1aは膀胱からの興奮性求心性信号伝達、及び、外尿道括約筋への興奮性入力の抑制性制御に関与することを示唆した。WT脊損マウスとKO脊損マウスの下部尿路機能を膀胱内圧測定と外尿道括約筋筋電図を用いて比較した。WTに比し、KOは排尿筋外尿道括約筋協調不全が更に著しかった。WT脊損マウスにmGluR5拮抗薬を投与すると膀胱収縮時の排尿筋外尿道括約筋協調不全発生の頻度が増加した。以上の結果は、脊損後排尿困難において、mGluR1a、及び、mGluR5を介する神経信号伝達が排尿筋外尿道括約筋協調不全に抗して作用していることを示す。以上の研究成果は、American Urological Association Annual Meeting、European Urological Association Annual Congress、International Continence Society Annual Meeting、日本排尿機能学会で発表した。研究アイディアの一部は、国際共同研究に反映され、論文として発表した(American Journal of Physiology)。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 8件)
American Journal of Physiology Regulatory Integrative Comparative Physiology
巻: 310 ページ: R752-R758
10.1152/ajpregu.00450.2015
American Journal of Physiology Renal Physiology
巻: 308 ページ: F1128-F1134
10.1152/ajprenal.00016.2015