研究課題
2014年と2015年に岐阜尿路・性器感染症研究会に参加する病院の泌尿器科および泌尿器科医院を受診した男子淋菌性尿道炎患者より分離された淋菌、それぞれ192株と239株とを対象として、セフェキシム (CFIX)、セフトリアキソン (CTRX)、レボフロキサシン (LVFX)、アジスロマイシン (AZM)の発育阻止濃度(MIC)をCLSI法に準じて寒天平板希釈法にて測定した。2014年と2015年の分離菌において、2013年の分離株と比較して、各種の抗菌薬に対する薬剤感受性に大きな変化は認められなかった。しかし、2014年に分離された淋菌の中で、CTRX低感受性株 (MIC 0.5 μg/ml)、GU140106を見出した。GU140106のペニシリン結合蛋白2の変異は、京都で分離されたCTRX高度耐性菌のH041とオーストラリアで分離されたCTRX低感受性菌のA8806のペニシリン結合蛋白2の変異と類似していた。さらに、これら3菌種の遺伝子型は類似していた。CTRX耐性菌の出現について引き続き警戒が必要と思われた。Mycoplasma genitaliumに関しては、2014年と2015年にM. genitalium陽性男子尿道炎患者の初尿中のDNA検体、それぞれ39検体と36検体を対象としてマクロライド耐性に関わる23S rRNA遺伝子とキノロン耐性に関わるparC遺伝子の変異を検討した。遺伝子のみに変異のあるもの、parC遺伝子のみに変異のあるもの、両遺伝子に変異のあるもの割合は、2014年の検体では、5.1%、23.1 %、30.8%であり、2015年検体では、19.4%、11.1 %、19.4 %であった。2013年の遺伝子変異と比較して、著明な変動は認めなかった。
すべて 2016 2015
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