研究課題
平成25年度にrat SNSR1 agonistである、bovine adrenal medulla 8-22(BAM 8-22)の静脈内投与および脊髄腔内投与が、cyclophophamide(CYP)誘発膀胱過活動を抑制することを解明し、また、rat SNSR1 agonistの膀胱内注入がカプサイシン感受性C線維以外の経路を介して排尿反射を抑制することを解明した。平成26年度には、CYP誘発膀胱炎ラットの膀胱過活動に対するrat SNSR1 agonistの膀胱内注入療法の効果を検討し、予備実験の結果として、BAM 8-22の膀胱内注入がCYP誘発膀胱過活動に対して有効である可能性を考えた。しかし、安定してBAM 8-22の膀胱内注入を行うためには、投与経路等を工夫し本実験を行う必要があると判断した。そのため、連続膀胱内圧測定を行いながら、安定して薬剤の膀胱内注入が施行できる実験装置の確立を平成27年度に施行し、CYP誘発膀胱炎ラットの膀胱過活動に対するrat SNSR1 agonistであるBAM 8-22の膀胱内注入療法の効果に関する本実験を施行した。雌SDラットを使用し、CYP誘発膀胱炎ラットはCYP 200mg/kgを腹腔内投与して作成した。CYP投与後48時間後にウレタン麻酔下連続膀胱内圧測定を施行。BAM 8-22(300, 1000, 3000 nM)を膀胱内注入し、注入前後での膀胱内圧測定パラメーターを比較検討した。BAM 8-22の膀胱内注入は最大排尿時圧には有意な影響を与えなかったものの、容量依存的に排尿間隔を延長した。以上より、rat SNSR1 agonist膀胱内注入は過活動膀胱の治療に有効であることが示唆された。
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