研究課題/領域番号 |
25462517
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
松岡 俊光 福島県立医科大学, 医学部, 研究員 (60528280)
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研究分担者 |
櫛田 信博 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30381396)
羽賀 宣博 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50586617)
小島 祥敬 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60305539)
相川 健 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (80295419)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 閉塞膀胱 / HIF-1 / p53 |
研究実績の概要 |
本年度はp53の膀胱収縮不全への関与をさらに明確にするため、p53を活性化することが知られているキナクリンを使用した。12週齢オスSDラットに尿道部分閉塞作成と同時にキナクリン(5mg/kg/day)をミニ浸透圧ポンプで持続投与した。14、16、18週齢で評価することにした。 1)連続膀胱内圧・排尿量測定による膀胱機能に関しては18週齢で収縮力の低下と残尿量の増加を認めた。膀胱機能は前年度の結果と比べキナクリン投与の影響は認めなかった。 2)リアルタイムRT-PCR法によるmRNAでは組織低酸素のマーカーとしてHIF-1は14週齢で著明に発現が増加しておりその後低下していた。この結果も前年度と同様で特にキナクリン投与の効果は認めなかった。一方、p53の発現は16週で増加していた。前年度と発現時期は同様であったが、発現は増強していた。キナクリンの作用は確認できた。 3)膀胱組織のhypoxy probeを用いた低酸素状態の評価は、14週齢から18週齢へと程度の増強を認めた。膀胱壁内微小血管に関して組織学的に血管数のカウントから14週齢、16週齢で増加し18週齢で減少していた。以上の結果も前年度と同様でキナクリンの効果を認めなかった。 閉塞に伴う膀胱の低酸素はHIF-1を介して血管新生を促進し代償機能が働くがその後p53の発現と共に組織の低酸素が進行し膀胱収縮機能が低下することが示唆された。しかしながらp53を活性化することが知られているキナクリン投与の効果は認められず、その解釈は今後の課題である。
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