研究課題/領域番号 |
25462518
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
本間 秀樹 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20260789)
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研究分担者 |
郡 健二郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30122047)
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40264733)
安井 孝周 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40326153)
岡田 淳志 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70444966)
濱本 周造 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80551267)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 尿路結石 / オステオポンチン / サル |
研究概要 |
オステオポンチン(OPN)の機能解析を行うため、OPNノックアウトマウスを作成しモデルマウス同様にシュウ酸前駆物質を投与し検討した。OPNノックアウトマウスではwild typeと比較し、結石形成数が少なく、形態的にも結石が成長しないことから、OPNが結石形成に必須であることを証明した。さらにOPN機能部位の詳細を検討するため、①Ca結合領域、②細胞接着領域に注目し、各々を機能不全にした変異OPN遺伝子導入トランスジェニックマウスを作成し検討した結果、Ca結合領域は結石の成長に、細胞接着領域は結石の形成量に関与することを明らかにした。上記の研究結果をふまえ、RGD配列に隣接するトロンビン切断部位に対する特異的な抗体(OPN抗体)を作成した。OPN抗体を結石モデルマウスに投与したところ、尿細管の細胞障害や結晶の尿細管細胞への接着を抑えることで結石形成量や形態形成が抑制されることを証明した。 これまでの知見は、マウスを用いた動物実験であったため、より遺伝的背景がヒトと類似したサルにおける腎結石研究を現在は行っている。サルにおける尿路結石の形成リスクの検討のため、サルの中において、自然発症する個体をCTにて探索している。サルはヒトと比較し、尿路結石が少ない動物と考えられており、その個体は特徴的であり、その尿中パラメーターや組織学的検討を継続して行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
サルはヒトと比べて、尿路結石形成リスクが少ない。主に、食べ物の影響と考えている。尿路結石形成を認めるサルのN数が少ないため、尿中パラメーターや組織学的検討が進んでいかないことが問題である。
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今後の研究の推進方策 |
シュウ酸食を投与することで、メタボリックシンドロームと高Ca尿を惹起することで、病的に尿路結石形成を誘発し、尿路結石モデルマウスを確立する。同時に、尿路結石形成パラメーターを、尿中、組織学的検討を行う。 最終的には、OPN抗体を投与し、結石形成抑制効果、尿中バイオマーカーの変化について検討するとともに、ヒトへの投与にむけた毒性実験を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
サル個体の結石罹患をみるため、CTを行った。CTのみの検査であり、所望品がすくなかったため。 サルへのシュウ酸投与を計画し、サルにおける尿路結石形成モデルを作成する。モデル動物作成には、ある程度の頭数での検討が必要であり、また尿中パラメータ-や組織学的検討を行う際に、消耗費が発生する。
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