研究課題/領域番号 |
25462519
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
坂倉 毅 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00275132)
|
研究分担者 |
郡 健二郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30122047)
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40264733)
安井 孝周 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40326153)
岡田 淳志 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70444966)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | メタボリックシンドローム / ob/ob / 腎結石 / 細胞接着分子 |
研究概要 |
【研究1 メタボ環境下における結石作成と細胞接着分子の発現評価】 メタボリックシンドロームモデルマウス(ob/ob、B 6.V-Lepob/J)と対象(wild type)に対してシュウ酸前駆物質であるグリオキシル酸(50mg/kg)の投与を行った。グリオキシル酸投与6日目に、腎、血清を採取し、グリオキシル酸の投与0日目と投与5日目に24時間蓄尿を行い、次の項目について検討した。①腎における結石形成およびその形態:ob/obのみに腎皮髄境界部を中心に結石形成を認めた。②血清の結石関連物質(カルシウム、リン、マグネシウム、クレアチニン)や脂質関連物質(遊離脂肪酸、総コレステロール、中性脂肪):血清から結石関連物質および脂質関連物質は、グリオキシル酸投与前後では、有意差を認めなかった。③尿中の結石関連物質(シュウ酸, クエン酸, カルシウム, リン, マグネシウムなど)の排泄量:グリオキシル酸投与前後、ob/obとwild typeとの間には有意差を認めなかった。次いで、DNAマイクロアレイ解析で結石関連遺伝子として同定されたフィブロネクチン、I細胞接着分子としてVCAM1、コラーゲン、結石マトリックスとしてオステオポンチンの遺伝子発現を定量PCR、タンパク発現をwestern blottingにて評価したところ、ob/obではこれらの発現量が増加していた。さらに、結石形成を認めるグリオキシル酸投与6日目のob/obでは、wild typeと比べ有意に発現量が増加していた。 【研究2 脂肪細胞が関与する腎尿細管上皮細胞(M-1)とシュウ酸カルシウム一水和物(COM結晶)の接着能の検討-In vitro-】 安定したcell line、培養液条件、交換条件を確立した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vivoの研究においては、結石形成量、尿中・血清関連物質、遺伝子発現量の検討を行った。また、in vitro研究においても、安定したcell line、培養液条件、交換条件を確立したため、研究は、おおむね順調に進展していると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
【研究1 メタボ環境下における結石作成と細胞接着分子の発現評価-In vivo-】 平成25年度に引き続き、ob/obマウスの繁殖を行う。グリオキシル酸の投与後の日数などの期間を調節することにより結石形成初期における結石形成量、形態、細胞接着分子(フィブロネクチン、ICAM1、セレクチン、VCAM1、コラーゲン)、結石マトリックス(オステオポンチン)、サイトカイン(TNF-α)の経時的変化を評価する。 【研究2 脂肪細胞が関与する腎尿細管上皮細胞(M-1)とシュウ酸カルシウム一水和物(COM結晶)の接着能の検討-In vitro-】 in vivoと同様に、結石形成初期における結晶付着量、形態、細胞接着分子(フィブロネクチン、ICAM1、セレクチン、VCAM1、コラーゲン)、結石マトリックス(オステオポンチン)、サイトカイン(TNF-α)の経時的変化を評価する。
|