研究課題/領域番号 |
25462521
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
窪田 泰江 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00381830)
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研究分担者 |
井村 誠 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 臨床研究医 (00551269)
柴田 泰宏 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10534745)
郡 健二郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30122047)
濱川 隆 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 臨床研究医 (40595394)
佐々木 昌一 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50225869)
高田 麻沙 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (60468254)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 過活動膀胱 / SCF |
研究概要 |
1.モルモット正常膀胱におけるKit陽性細胞、Stem Cell Factor(SCF)陽性細胞の局在・発現量の検討 モルモットの膀胱において、KitおよびKitを活性化するリガンドであるSCFの局在と量的変化につき検討したところ、Kit陽性間質細胞は、膀胱粘膜下層を中心に膀胱全層に発現していた。またSCFは尿路上皮を中心に発現していた。 2. 過活動膀胱モデル動物に対するKit抑制因子(メシル酸イマチニブ)およびSCFの作用機序 KITに対する抑制因子であるメシル酸イマチニブ(グリベック)およびKITのリガンドであるSCFの作用を検討した。メシル酸イマチニブは、Kitを抑制することにより元来慢性骨髄性白血病に対する治療薬として開発されたが、カハールの間質細胞由来の消化管間葉系腫瘍に対しても効果が確認されている。私たちはこの点に注目し、モルモットを用いた下部尿路閉塞モデル(過活動膀胱モデル)にグリベックを投与したところ、排尿圧を変化させることなく、non-voiding contractionを抑制し、排尿間隔を延長させることが判った。この結果からKitが間質細胞を介して過活動膀胱の発症機序に関与している可能性が示唆された。また、Kit陽性間質細胞を活性化する物質として、Kitのリガンドである幹細胞因子(Stem Cell Factor:SCF)に着目し、SCFをモルモットに投与したところ、濃度依存的に排尿間隔を短縮させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画した研究に関しては、ほぼ予定通り結果を確認できているため。
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今後の研究の推進方策 |
臨床応用にむけ、さらに対象患者からの尿を分析する必要があるが、その際に患者背景も詳細に確認する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
患者の尿を用い、尿中SCFをELISA法により測定することにより、過活動膀胱の症状とSCF値の関連を検討する。このため、試薬の購入・検体の測定・解析などに諸費用が必要となる。また、場合によっては実験動物を用いた追加研究も考慮しているため、動物の飼育費・購入費用なども必要となる。 尿中SCFを用いた過活動膀胱診断・治療効果判定マーカーの確立 過活動膀胱患者および正常人の尿中SCFをELISA法により測定し、新しい診断マーカーとしての可能性を検討する。また過活動膀胱患者の尿中SCF濃度を過活動膀胱治療薬の投薬前後で比較し、治療効果判定の指標としての有用性についても検討する。また心因性頻尿・排尿困難などの疾患群でのSCF濃度の違いについても調べ、排尿状態や過活動膀胱の重症度との関連についても検討する。
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