研究分担者 |
郡 健二郎 名古屋市立大学, その他部局等, 学長 (30122047)
林 祐太郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40238134)
廣瀬 泰彦 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (60381894)
岡田 淳志 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70444966)
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研究実績の概要 |
われわれは、ob/obマウス(B6.V-Lepob/J)ではWild typeに比べ、より結石形成が促進されることを報告した。これにはアディポサイトカインであるアディポネクチンが強く関与していることがわかっている。クルクミンによる結石形成の抑制効果をob/obマウスとwild typeを用いて調べた。 (A) wild type および (B) ob/obマウスに対し25、50mg/kgグリオキシル酸(以下GOX) を6日間連日腹腔内投与(各3匹ずつ計24匹)し、結石形成、形態の確認を偏光顕微鏡, シュウ酸カルシウム結石染色(Pizzolato染色)で観察した。さらに両群に0.2%のクルクミンを添加した食餌を与えた(C)(D)群でも同様の検討を行った。3、7、14日投与後に採血、採尿を行い安楽死させ腎臓を摘出した。尿中、血中パラメーターの測定を行い、腎尿細管石灰化については偏光顕微鏡下に結晶の割合をパラメーター化した。SODとMDAの免疫染色を行い、酸化ストレスと細胞傷害について評価を行った。さらに、NF-kB (p65)の尿細管での核内移行の有無を免疫組織染色で確認し、摘出腎におけるアディポサイトカイン(アディポネクチン、MCP-1、PAI-1等)や酸化ストレス(SOD, MDA, 8-OHdG)の発現変化を免疫染色、PCR、Western brottingにて観察した。(A)群に比較して(B)群では有意にシュウ酸カルシウム結晶の沈着が多かった。 (C)(D)群では、腎尿細管へのシュウ酸カルシウム結晶沈着の有意な抑制効果が認められた。クルクミン投与により、酸化ストレスの抑制、NF-kB (p65)の尿細管での核内移行の抑制、アディポネクチンの発現増強、細胞傷害の軽減を認め、これらが結晶沈着抑制のメカニズムに関与する因子と考えられた。
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