HMGB1およびREGEと尿路結石症発生の関係を明らかとすることを目的として研究を実施して以下の結果を得た。 ヒト腎尿細管培養細胞(HK-2細胞)とイヌ腎尿細管培養細胞(MDCK細胞)をDulbecco’s modified Eagle’s medium (5% fetal calf serumと1% non-essential amino acidsおよび抗生剤を添加)で継代培養して本研究課題に最適とされるpassage 5~6の状態に調整した。液体窒素による保存と融解後の培養によって細胞形態と生物学活性に変化が発生しないことを顕微鏡下の観察とMTT assayで証明した。さらに結晶と血清蛋白による反応を最小限とするためserum freeの培養液で24時間培養を行った。そしてこの操作によっても細胞形態と生物学活性に変化が発生しないことを顕微鏡下の観察とMTT assayで同様に証明した。 これら培養細胞から蛋白抽出を行いWestern blot(一次抗体:abcam ab12029)でHMBG1蛋白発現を認めた。 また、AGPC変法によってTotal RNAを抽出して定量PCRに備えてバイオアナライザー(Agilent 2100)にてRNAのqualityとquantityを統一した。 HMBG1ならびに尿路結石のケモカインとしてのMCP-1遺伝子発現の確認を定性PCRで確認した。定量PCRではシュウ酸カルシウム結晶負荷でのMCP-1遺伝子発現のup-regulationを認めたがHMBG1遺伝子発現は分析不可能だった。
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