研究課題
研究最終年度に入り、データの蓄積、解析、そして発表が順調に進捗した。「副腎静脈サンプリングに基づく機能温存手術の探求」に向けて、研究分担者の海法康裕と川崎芳英は原発性アルドステロン症の手術症例を更に増加させた。川崎芳英は全米泌尿器科学会を始め、各種の学会でその成果の公表を開始している。研究分担者高瀬圭は、本邦有数の副腎静脈サンプリング経験症例数を下に、①具体的な手技とデバイスを確立、②副腎内静脈分枝の解剖の詳細を明らかにした。その成果として機能温存部分切除へ向けての、「超選択的副腎静脈サンプリング」の概念を確立、複数の論文業績として上梓した。この新たなサンプリング手法は全国に普及しつつある。研究代表者石戸谷滋人は副腎腹腔鏡手術の実施に加えて、研究チーム全体のマネジメントを続行、データ解析を総括している。本研究の一部として、アウトカム・QOL調査と排尿機能評価も平行して遂行されている。研究2年目の成果からは、「原発性アルドステロン症に対する選択的副腎静脈サンプリングに基づいた機能温存手術は、術後QOLを有意に改善させる」というエビデンスが得られた。更に今年度は注目すべきデータが得られた。「原発性アルドステロン症患者に対して腹腔鏡手術により血中アルドステロン値を正常化させると、性別に依らず夜間頻尿が改善する」ことが明らかとなった。この新知見は既に研究分担者川崎芳英が学会発表しており、近日中に論文上梓予定である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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