研究課題/領域番号 |
25462533
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿部 倫明 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (40400246)
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研究分担者 |
清元 秀泰 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (00304585)
佐藤 恵美子 東北大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (20466543)
城 謙輔 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (10057086)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 腎臓病 / 酸化ストレス / 尿毒症物質 / 国際研究者交流、USA |
研究概要 |
慢性腎臓病の増悪と腎内や尿中の酸化ストレスの亢進は相関する。その際、全身の酸化ストレスも亢進しており腎臓病の悪化に寄与している。生体内で発生した酸化ストレスを含む尿毒症物質は、“排泄臓器による細胞外液(あるいは血中)の浄化系”と“還元作用を持つ抗酸化物質や解毒酵素による消去・解毒系”という2つの機序により適切に除去されている。排泄系は主に腎臓の血液浄化作用が担い、消去系は全ての細胞に備わっている抗酸化プログラムの応答の結果として獲得された抗酸化蛋白質や解毒酵素が担う。 本研究課題では、酸化ストレスに強い動物モデルと酸化ストレスに弱い動物モデルとの間でクロスオーバー腎移植実験を行い、以下の研修を遂行し、難治性/治療困難と考えられている慢性腎臓病の新規治療戦略の開発を目標とする。 ①酸化ストレス脆弱性によって発症する腎臓病が、全身の酸化ストレスの適正化で予防されることを実証する。 ②高い抗酸化作用の有する腎臓を移植することで、全身由来の尿毒症物質や酸化ストレスをしっかり血液浄化することによって、その個体の他側の腎臓病を予防できることを検証する。 ③ループス様腎炎モデルマウスを発症・増悪させる活性酸化種や尿毒症物質をLiquid Chromatograph Mass Spectometer (LC/MS)により網羅的検索する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在は、最も難しいステップであるマウス腎移植手術の確立中である。具体的には、本研究について共同研究中のDuke大学腎臓学講座Coffman教授の下でマウス腎臓移植実験を学ぶべく、大学院生を留学させる手続き中である。しかしながら、この実験手技の確立が順調に進まない場合、当方のマウス(Keap1-KDマウスとnrf2-KOマウス)を先方のラボに送りマウス腎移植実験系を指導してもらう予定である。 昨年度、Duke大学腎臓学講座を訪問し、情報交流を行った。そのことにより、当方の大学院生の留学受け入れを許可してもらった。しかしながら、 大学院生が先方で動物実験を習得する場合、J1 VISAの取得が必要であり、現在、その手続きが多少遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
① 大学院生が留学し、マウス腎移植実験を習得してくる。 ② マウス腎移植実験の確立が順調に進まない場合、当方のマウス(Keap1-KDマウスとnrf2-KOマウス)を先方のラボに送りマウス腎移植実験系を指導してもらうことを交渉する。 ③ 尿中に排泄される尿毒症物質の網羅的検索法の確立。このために、水系透析装置を使用し、網羅的検索のできるLiquid Chromatograph Mass Spectometer (LC/MS)を立ち上げる。
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次年度の研究費の使用計画 |
本申請書作成中に購入予定であった中古の眼科(または耳鼻科)手術用顕微鏡(¥55万円)が、科研費内定時には購買済みとなってしまっており、新規の手術用顕微鏡はあまりにも高額(¥150~200万円)で、購入できなかったのが最大の理由である。 現在、本科研費予算に見合う中古の眼科(または耳鼻科)手術用顕微鏡を探索中である(~¥100万)。 また本年度、大学院生が留学にてマウス腎移植実験を習得する予定。
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