研究課題
平成25年度は腎移植患者の尿および血漿検体を用いたBKウイルスの定量的PCR法の条件設定を行い、同一検体を用いた検討で外注業者が行っている同検査とほぼ同じ結果が得られることを確認した。同時に米国移植学会の診療指針の最新版が発行されたため、それに沿ってPCRスクリーニングの間隔を変更、倫理委員会に変更の承認を得た。平成26年度より実際の腎移植患者から前向きに尿・血漿検体を採取し、PCRスクリーニングを開始した。平成26年度は同意を得た27症例で検査を行い、平成27年度もこれを継続、平成27年度末で55例に対して前向きスクリーニングを行った。欧米での報告を見ると、BKウイルス腎症の頻度が1-2%に低下しているものの、ウイルス血症8-10%、ウイルス尿症30-40%であり、全ての段階を含むウイルス再活性化率は40-50%程度とされている。これに対し、本研究では12例/55例(21.8%)にウイルス尿症を認めたが、血症や腎症に進展する症例を認めなかった。尿症の発症時期としては全12例が6ヶ月以内に初回診断しており、早期スクリーニングの重要性は再確認できた。ただし、再活性化の頻度は欧米の報告に比して明らかに低い。最終報告をまとめるにあたり、免疫抑制療法や患者背景を含め、低い再活性化に関与する因子を統計学的手法を用いて明らかにする予定である。
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