母体肥満下の子宮内環境により肥満や耐糖能関連遺伝素因が世代を超えて伝わるメカニズムを解明し,抗肥満・抗糖尿病受容体CARを標的とした治療法の可能性を検討した。高脂肪食飼育妊娠マウスからの出生仔は成長に伴い過体重、血圧上昇と耐糖能異常が発現し、アディポサイトカイン遺伝子promoter領域のエピゲノム変化を認めた。CARの活性化は母体への抗肥満・抗糖尿病作用を示し、出生仔のエピゲノム変化を抑え成長後のメタボリック症候群発症を抑制した。母体肥満下の子宮内環境は、アディポサイトカイン遺伝子エピゲノム変化を介して世代を超えてメタボリック症候群発症に関与している。CARは治療標的となる可能性が示された。
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