研究課題/領域番号 |
25462563
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
増崎 英明 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00173740)
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研究分担者 |
三浦 清徳 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00363490)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 常位胎盤早期剥離 / 血漿 / RNA / 胎盤 / 分子マーカー |
研究概要 |
本年度は常位胎盤早期剥離12例の血漿およびその臨床所見を集積し、以下の検討を行った。 1)常位胎盤早期剥離12例(早剥群)および正常妊娠26例(コントロール群)の血漿サンプルからRNAを抽出した。 2)リアルタイムPCR法で母体血漿中胎盤特異的microRNA(517a、517cおよび518b)の定量を行った。 3)早剥群における母体血漿中胎盤特異的microRNA流入量は、コントロール群のそれと比較して上昇傾向にあった。 したがって、母体血漿中胎盤特異的microRNA流入量は、常位胎盤早期剥離の発症と関連している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
常位胎盤早期剥離12例の検体を集積することができた。3年間で30例以上の症例を集積することが可能と推定され、本研究の結論を得るに十分な症例が集積されると期待される。 また、常位胎盤早期剥離の発症と母体血漿中胎盤特異的microRNA流入量との関連が示唆され、今後の検討でその詳細が明らかになると期待される。
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今後の研究の推進方策 |
1.胎盤特異的cell-free mRNA/miRNAの臨床的意義を評価する。 2.常位胎盤早期剥離のリスク推定に有用な分子マーカーセットを選別する。 3.胎盤特異的cell-free mRNA/miRNAマーカーセットの常位胎盤早期剥離への応用の可能性を前方視的に探る。 3-1.妊娠中期および末期の分子診断;まず、2.で決定した分子マーカーセットを用いて常位胎盤早期剥離のリスクを推定する。 3-2.妊娠転帰の追跡調査;妊娠・分娩転帰を追跡調査し、常位胎盤早期剥離を発症した群とそれ以外のコントロール群とのリスク推定の可能性の有無を評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は検体集積と臨床所見のデータベース化に重点を置いて研究を実施したため、PCRに用いる試薬の購入費は予定よりも少なくなった。 検体集積とデータベース化は計画どおりに順調に進んでおり、来年度以降のPCR試薬購入費は予定よりも増額すると思われる。試薬購入にかかる増額分に対して、次年度使用額を使用する予定である。
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