子宮内膜において、精子とprotease-activated receptor (PAR)-2を介する細胞内情報伝達系がどのような相互作用を引き起こすか、さらにこれらの現象が妊娠維持や流産および不育症などの生殖現象にどのように関わっているかを調べる目的で検討を行った。 子宮内膜間質細胞を培養し、調整した精子を添加したところ、PAR-2 を介してmitogen-activated protein kinase (MAPK)であるERK、p38、JNKのリン酸化が認められ、特にERKは特に強いリン酸化がみられた。また、これらの酵素はPAR-2 antagonistの添加でリン酸化が抑制された。一方、MAPKの下流にあるRSKやMSKもPAR-2 を介してリン酸化が認められた。これらも同様に、PAR-2 antagonistの添加でリン酸化が抑制された。 今回の結果から、精子はPAR-2を介して子宮内膜における細胞内情報伝達系の活性を制御することが示された。
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