研究課題/領域番号 |
25462569
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
藤森 敬也 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80285030)
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研究分担者 |
経塚 標 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00644113)
安田 俊 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50566817)
野村 泰久 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (60381381)
伊藤 史浩 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90644112)
河村 真 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (10713133)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 羊胎仔 / 絨毛膜羊膜炎 / 高サイトカイン血症 / 圧受容体反射 / 心拍数基線細変動 / 脳波 / 胎児呼吸様運動 |
研究概要 |
本研究は妊娠羊胎仔慢性実験モデルを用いて絨毛膜羊膜炎の臨床モデルを作成し、胎児高サイトカイン血症下における胎児生理学的パラメーターに与える影響について観察することを目的とする。 平成25年度は妊娠サフォーク羊2頭を用いて妊娠113日(満期;145日)に手術をし、妊娠羊胎仔慢性実験モデルを作成した(1頭はデータ採れず)。G-CSF50μgを妊娠117日、118日、119日、120日に胎児頸静脈に投与した。さらに119日目のG-CSF投与直後にLPS (Lipopolysaccharide)50mgを羊水腔に投与した。胎仔脳波、胎仔呼吸様運動、胎仔心拍数は妊娠113日の手術直後から子宮内胎児死亡した妊娠121日まで継続してPowerLab8を用いて記録、解析した。また、妊娠119日、妊娠120日にはphenirephrine5~50μgを投与し、圧受容体反射(心拍数下降度/血圧上昇度:⊿FHR/⊿MAP)を観察した。 G-CSF投与により胎仔の白血球数(顆粒球数)は3970(2898)、14600(13125)、28500(27046)、43000(40506)/μlと上昇した。LPS投与前の妊娠118日にコントロールとして圧受容体反射を計2回測定した。LPSを投与した妊娠119日には圧受容体反射を計17回測定、LPS投与翌日の妊娠120日には圧受容体反射を計18回測定した。 LPS投与前日の圧受容体反射値(±標準誤差)は3.35±1.90、LPS投与後の圧受容体反射値(±標準誤差)2.08±0.12であり、さらに投与した日で分けると、妊娠119日の圧受容体反射値は2.29±0.17、妊娠120日の圧受容体反射値は1.87±0.14であった。 現在、実験中に採取した胎仔血液を用いて炎症性サイトカインを測定中である。その他の胎仔生理学的パラメータは解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
妊娠羊の供給量が受胎の関係で希望通りに行われず少ないため、供給されたのが3月であり、実験の開始が遅れた(元々羊の出産時期は冬から春にかけてである)。しかしながら、1頭は実験に成功している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はさらに羊の頭数を増やし、LPS投与群のデータを増やすとともに、生食のみを投与するコントロール群での測定、また子宮内感染が生じた場合に切迫早産が発症することを想定し、実際の臨床に則り切迫早産治療薬である硫酸マグネシウム、塩酸リトドリンを投与し、胎児高サイトカイン下の胎児生理学パラメータに与える影響を評価する。 妊娠羊供給業者に、希望の実験用妊娠羊の供給を再度依頼した。
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