研究課題
近年、我々の研究グループは生殖細胞特異マーカー分子TEX101は生殖生理上必須分子であることをは明らかにし、また、同分子上のN-型糖鎖が抗精子頭部自然自己抗体(Ts4)と反応することを見出した。この糖鎖抗原は、予備実験の結果、生殖生理上重要な役割を持つ可能性が強く示唆される。本年度は、1) Ts4の体外受精系に与える影響の検討、2) Ts4が認識する糖鎖を有する精巣内の(TEX101以外の)糖タンパク質を免疫沈降法及び質量分析法を用いて解析 を行った。その結果、Ts4はカルシウムイオノファーで誘導される精子先体反応を阻害することが示され、この機能により体外受精を阻害すると考えられた。また、質量分析及びウエスタンブロット法による解析結果から、Ts4の対応抗原である糖鎖を有するタンパク質はα-N-アセチルグルコサミダーゼの82kDa form であることが明らかとなった。次年度はこの糖鎖の構造解析を目指す。
2: おおむね順調に進展している
研究は当初のほぼ計画通りに遂行されている。本年度は質量分析でタンパク質の同定に至るだけのモル数を確保出来るかに依っていたが、この点は問題が無かったため、ほぼ予想どおりの進捗となった。
研究計画に沿って、さらに研究を進める。
冷凍冷蔵庫(120万円)を購入予定だったが、設置場所の確保に問題が生じ、購入出来なかった。設置場所を確保次第、購入する予定である。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)
Cancer Biomarker
巻: 12 ページ: 141-148
10.3233/CBM-130302.
Int. J. Gynecol. Cancer
巻: 23 ページ: 576-582
10.1097/IGC.0b013e3182849e36.
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.
巻: 110 ページ: 8111-8116
10.1073/pnas.1222166110.
J. Obstet. Gynecol. Res.
巻: 39 ページ: 1440-1448
10.1111/jog.12140.