臨床的に抗リン脂質抗体症候群(APS)の診断基準を満たすが血清学的にAPSの基準を満たさない不育症患者(Seronegative obstetrical antiphospholipid syndrome : SN-APS)に特異的な新規自己抗体/標的分子の同定をを試みたところ、SN-APS患者の約1割より、アルキル化処理を受けた補体分子C9に特異的に反応する自己抗体が検出された。母体間インターフェイスにおいて補体活性は補体調節因子の発現・局在によって厳格に調節されているが、本研究結果は反復流産既往患者における抗C9抗体の検出は、不育症の原因を探る臨床マーカーとして有用な可能性を示唆している。
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