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2016 年度 実績報告書

胚性幹細胞の新しいリプログラミング技術による高品質化と再生医学応用への基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25462582
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

三浦 巧  国立医薬品食品衛生研究所, 再生・細胞医療製品部, 室長 (60405355)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードiPS細胞 / 神経幹細胞 / リプログラミング / ES細胞
研究実績の概要

昨年度までに実施された遺伝子発現及びDNAメチル化解析の結果から、非ナイーブ様幹細胞は発生初期の神経幹細胞様の性質を持つことを明らかにした。そこで今年度は、非ナイーブ様幹細胞の神経幹細胞としての機能を解明するために、種々の神経細胞への分化能について以下の通り評価を行った。神経幹細胞は、その未分化性のレベルから順に、LIF-dependent primitive NSC(LIF依存性未分化神経幹細胞)、FGF2-dependent definitive NSC(FGF2依存性神経幹細胞)、EGF-dependent definitive NSC(EGF依存性神経幹細胞)と段階的に発生していくことが知られている。本研究で樹立された非ナイーブ様幹細胞は、LIF存在下で高い可塑性と増殖能を維持しており、LIF依存性未分化神経幹細胞に極めて近い性質を保持していると推察された。また、非ナイーブ様幹細胞はドーパミン産生神経細胞および運動神経細胞などのニューロンへ高効率で分化することが確認でき、ES細胞から分化誘導させたFGF2依存性神経幹細胞よりも高い分化能を持つことが示された。加えて、非ナイーブ様幹細胞はグリア細胞(アストロサイト、オリゴデンドロサイト)への分化能を持つことも観察された。また、非ナイーブ様幹細胞は単細胞からも高い増殖能を維持して増やすことが確認できたことから、効率的な遺伝子編集が可能であることが判明した。これらの成果は、非ナイーブ様幹細胞を用いることにより神経疾患モデル細胞を人工的に作製できることにも繋がり、神経疾患における病態解明や創薬研究にも多大に貢献できると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] A xenogeneic-free system generating functional human gut organoids from pluripotent stem cells2017

    • 著者名/発表者名
      2.Uchida H, Machida M, Miura T, Kawasaki T, Okazaki T, Sasaki K, Sakamoto S, Ohuchi N, Kasahara M, Umezawa A, Akutsu H.
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Investigation Insight

      巻: 2 ページ: e86492

    • DOI

      10.1172/jci.insight.86492

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 実験用の細胞培養と臨床用の細胞培養(製造)の違いと考え方2016

    • 著者名/発表者名
      三浦巧, 佐藤陽治
    • 雑誌名

      細胞培養の基礎知識と細胞培養基材の利用・開発の留意点

      巻: - ページ: 70-84

  • [学会発表] Assessment of Genetic Instability in Human Induced Pluripotent Stem Cells during Long-Term Cell Culture2016

    • 著者名/発表者名
      Miura T, Okamura K, Yasuda S, Umezawa A, Sato Y.
    • 学会等名
      International Society for Stem Cell Research 2016
    • 発表場所
      サンフランシスコ
    • 年月日
      2016-06-22 – 2016-06-25
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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