研究課題/領域番号 |
25462592
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
橋本 香映 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90612078)
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研究分担者 |
澤田 健二郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00452392)
馬淵 誠士 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00452441)
磯部 晶 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60397619)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 子宮内膜症 / 接着 |
研究概要 |
1)子宮内膜間質細胞の採取と腹膜中皮細胞への接着能の亢進の確認 a)子宮内膜症間質細胞の採取:手術にて摘出した内膜症標本より子宮内膜間質細胞を分離し、間質細胞であることをCytokeratin, vimentin, CD45, vWFにて免疫染色を行ない、ほぼ100%間質細胞であることを確認、さらに分離された間質細胞が子宮内膜の性質を保存していることをcAMP+MPA刺激により脱落膜化が認められることで確認し、以下の検討に用いた。b) In Vitro Adehesion Assay:手術時に摘出した大網より腹膜中皮細胞を分離培養し、再現した腹膜中皮層に対する子宮内膜症間質細胞および、子宮内膜間質細胞の接着能を蛍光標識したこれらの細胞を用いて、蛍光強度で相対的に評価した。当初の検討では本検討にて正常子宮内膜に比べ2倍以上の接着能亢進を認めた内膜症細胞を用いてiTRAQ法に用いる予定であったが、内膜症患者の正所性子宮内膜検体を得る事が困難であったため、内膜症患者の正所性子宮内膜検体については得る事のできた2検体を用いることとし、これらの症例の内膜症病変から得た子宮内膜間質細胞は正所性子宮内膜間質細胞に比べ2倍以下の接着能亢進であったが、iTRAQ法に用いることとした。 2)iTRAQ法を用いた正常子宮内膜と内膜症病変における細胞膜蛋白の発現変化の網羅的解析 当初予定と検体数を変更し、正常子宮内膜2検体、内膜症患者の正所性子宮内膜2検体、腹腔内内膜症病変4検体を用いて解析を行った。正常子宮内膜検体より2倍以上の増加を認める蛋白のうち、接着に関連のあるものをピックアップして現在検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標はiTRAQ法にて子宮内膜症間質細胞の膜蛋白の網羅的解析を行なうことであった。本研究は手術時に摘出された標本から得られた初代培養細胞を用いて行なっているが、現在子宮内膜症では術前にホルモン療法などを行なわれている症例が多く、特に子宮内膜症患者の正所性子宮内膜標本を得ることが予想より困難であり、検体数および網羅的解析に使用する検体の選択条件は変更したが標的候補はいくつか抽出できており、概ね順調であると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も当初計画どおり、抽出された標的蛋白の作用について検討を行なう。 ただし、当初予定していた腹水中マクロファージと共培養実験は内膜症患者の腹腔内洗浄液から充分量のマクロファージを得ることが困難であり、卵巣癌腹水より分離したマクロファージを使用する、あるいは単球系cell lineで代用する。
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次年度の研究費の使用計画 |
正所性子宮内膜からの子宮内膜間質細胞の分離が予備実験よりも効率がよく、コラゲナーゼの使用量が予定よりもやや少なく済んだため。一方、内膜症組織からの子宮内膜症間質細胞の分離は予備実験よりもやや効率が悪い。 今後は主に内膜症組織から分離した子宮内膜間質細胞を用いての検討となるため、分離のための予算が不足することが予想され、残余分はその補填にあてる。
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