子宮内膜における月経周期および発がん過程に関する、PITX1遺伝子によるテロメレース制御機構について検討した。PITX1蛋白は、子宮体がん低分化症例の腫瘍部において発現を認めるものの、90%以上の体がん組織において発現を認めず、子宮体がんにおけるテロメレース高発現に関与している可能性が示唆された。一方、正常内膜腺にPITX1発現が明らかとなった。しかし、月経周期との関連、正常内膜から増殖症をへて体がんに至る段階については、明確な関連性を見出すことはできなかった。病理組織学的因子、予後、Ki-67,ERα,PR発現との関連を含め、解析対象となるデータが多岐にわたるため、今後も解析を継続する。
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