研究概要 |
1.子宮頸部病変のHPVタイピング(田中、岩崎、齋藤)書面により同意を得た子宮頸部異形成および子宮頸癌患者から得られた組織検体を用い、DNAを採取し、HPVタイピングを行った。目標症例は50例。これらの検体をそれぞれのHPV型に特異的なPCRプローブを用いてHPV16, 18, 31, 33, 35, 39, 45, 51, 52, 56, 58, 59および68型の13種類の型を検出・分類した。 2.子宮頚癌患者末梢血単核球細胞 (PBMC)の採取とHLAタイピング(佐藤、田中、齋藤)上記患者より末梢血50mlを採血し、末梢血単核球細胞を採取し、これを用いてHLAタイピングを行った。HLAは、ヒト主要組織的合抗原と呼ばれる糖蛋白で、マウスにおけるH-2抗原に相当する。ヒトでは、HLA-A, B, C抗原などからなるクラスI抗原と、HLA-DR, DQ抗原などからなるクラスII抗原に大別される。 本検査は、PCR-rSSO法によりHLAのAおよびB Locus, DR(B1) Locusについて、その対立遺伝子(allele)に対する2桁(粗分類; low resolution)で判別し、HLA型を推定した。3.HLA-A24結合モチーフを持つペプチドの作成(田中、岩崎、齋藤) 上の表にあるように日本人ではHLAのA LocusではA24を有している割合が56%と最も高く、ペプチドワクチンを作成するうえで最も効率が良いと考えられる。そこで本研究ではこのHLA-A24をターゲットとして研究を進めた。HPV16 E6E7の塩基配列からHLA-A24結合モチーフを持つペプチドをE6、E7で合成した。
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