研究実績の概要 |
・血管新生調節因子であるVasohibin-1(VASH1)遺伝子を強制発現させた卵巣がん細胞は、コントロールに比べて細胞増殖に差はみられなかった。一方、この細胞を用いたマウス動物モデルにおいて、血管新生、腫瘍増殖、腹膜播種が抑制され、生存期間の延長がみられた(Takahashi Y, Saga Y, et al. Int J Oncol 47:2057-2063,2015)。 ・VASH1強制発現はVEGFだけでなく、PDGFを産生する卵巣がんモデルマウスの血管新生、腫瘍増殖、腹膜播種をも抑制し、生存期間を延長させた(Takahashi Y, Saga Y, et al. Cancer Sci doi: 10.1111/cas.12911,2016)。 ・抗VASH2モノクローナル抗体を作成した。この抗体を腹腔内に投与したところ、卵巣がんモデルマウスの血管新生、腫瘍増殖が抑制された(投稿中)。 ・HGFのアンタゴニストであるNK4は、免疫抑制因子IDOの産生抑制を介して卵巣がん細胞の免疫寛容を低下させ、マウス動物モデルにおいて腫瘍増殖を抑制した。その機序として、HGFの受容体であるc-Met、さらにはその下流のシグナル伝達経路の中で、PI3K-AKT経路が関与していることを明らかにした(Wang D, Saga Y et. al. Int J Oncol 43:2303-2309,2016)。
|