研究課題
子宮体癌の危険因子として生活習慣病の関与が示唆されている。子宮体癌治療では両側卵巣卵管摘出術(bilateral salpingo-oophorectomy:BSO)が標準治療に含まれており、BSO施行後のがんサバイバーではエストロゲンが欠乏することにより脂質異常症や骨粗鬆症罹患率が上昇し、将来的にはそれらに起因する寝たきりの高危険群となる。子宮体癌罹患数の増加と集学的治療法の進歩は、将来におけるBSO施行後の婦人科がんサバイバーが増加することを意味しており、このような症例に対して系統的に早期介入する体勢を確立することは喫緊の課題であるといえる。本研究は子宮体癌サバイバーを対象に、血清脂質値や骨密度の特徴などの疫学因子およびエストロゲン代謝に関連した遺伝因子の解析について検討し、BSO施行例の将来的なQOL低下に対する個別化予防法に結びつけることを目的とした。慶應義塾大学病院産婦人科女性健康維持外来に受診した女性を対象として、疫学的因子の聴取とともに、血清脂質値、甲状腺機能、ヘモグロビンA1c(HB-A1c)、骨密度および骨代謝マーカーを測定した。遺伝因子はエスロトゲン代謝関連遺伝子の多型を測定した。また若年子宮体癌の妊孕性温存希望例に対しては、高用量MPA(medroxyprogesterone acetate)療法が行われているが、その奏効は個人差が大きい。そこで慶應義塾大学病院産婦人科バイオバンク(Keio Women's Health Biobank)に保管されているがん組織DNAとgermlineDNAのペアサンプルを用いて、次世代シーケンサーを用いて体細胞ゲノム異常を検出し、子宮体癌と生活習慣病に共通するパスウェイを検出して、生活習慣病治療薬を用いた子宮体癌に対するドラッグリポジショニングの可能性につき検討した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
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