研究課題
子宮内膜癌の発生機序には、エストロゲン刺激、p53、K-ras等の遺伝子異常に加えて、 MSI、hMLH1のメチル化・遺伝子変異、hMSH6の遺伝子変異CHFR遺伝子のメチル化hMLH1のpromoter領域のメチル化が抗癌剤感受性が注目されている。そこで今回我々は、FOXP3発現制御性T細胞と、分化度、MSI、抗癌剤感受性、黄体ホルモン感受性との関連を明することを目的として、臨床症例において、MSI検索、MMR蛋白発現、MMR遺伝子生殖細胞変異、特にhMLH1遺伝子のpromoter領域のメチル化検索、などの情報と、腫瘍浸潤リンパ球(TIL):CD4、CD8による免疫組織化学にてTILの腫瘍周辺へのhomingを検索し、MSI症例において腫瘍部位にて局所的腫瘍免疫反応が働いているか否か検索する。現在、若年子宮内膜癌で黄体ホルモン療法を施行している症例は190例に達し、倫理委員会の承認を得て、治療前・中、後、そして再発時の組織病理検体を対象として、ER、PgR、MMR蛋白発現の有無、MMR遺伝子の下流のシグナル伝達経路の各種分子としてPTEN、β-catenin、p53、MDR1など、薬剤感受性分子MDR-1、腫瘍免疫に関連するCD4/CD8、FOX-P3などの発現解析を開始している。病理学的な黄体ホルモンへの反応性(脱落膜下反応、腺細胞のatrophic など)の有無、分化度、との関連を、多数例の症例を対象として解析している。また抗癌剤感受性との関連については再発腫瘍症例の化学療法効果との関連を検索中である。
3: やや遅れている
所属機関の倫理委員会の方針にて、手術・生検組織診検体の研究利用への包括的同意を得た症例に対しての同意の取得について、様々な指示があり、その対策を講じるのに時間を要し、解析開始の始動が遅れた経緯がある。
多数例の黄体ホルモン療法、化学療法施行例の組織検体を用いて、(1)MMR酵素蛋白、ならびのMMR遺伝子の下流域のシグナル伝達経路の分子、(2)腫瘍免疫に関わる各種分子、(3)細胞周期関連因子、(4)薬剤感受性分子、の発現解析を先行して行い、その発現変化と薬剤(ホルモン剤、抗がん剤)の臨床的奏効性との関連を検索する。その結果、薬剤奏効性に関連すると考えられる分子について、変異、メチル化の解析を進めて行く予定である。
所属機関の倫理委員会の方針にて、手術・生検組織診検体の研究利用への包括的同意を得た症例に対しての同意の取得について、様々な指示があり、その対策を講じるのに時間を要し、解析開始の始動が遅れ、各種抗体、試薬等の購入準備、切片作成が遅れた経緯がある。使用可能となった多数例の黄体ホルモン療法、化学療法施行例の組織検体を用いて、(1)MMR酵素蛋白、ならびのMMR遺伝子の下流域のシグナル伝達経路の分子、(2)腫瘍免疫に関わる各種分子、(3)細胞周期関連因子、(4)薬剤感受性分子、の発現解析を先行して行い、その発現変化と薬剤(ホルモン剤、抗がん剤)の臨床的奏効性との関連を検索する。その結果、薬剤奏効性に関連すると考えられる分子について、変異、メチル化の解析を進めて行く予定である。
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