新規合成KSP阻害剤のうち、in vitroヒト卵巣がん細胞増殖抑制力価が最も高かったKPYB10602をKSP阻害剤として用いた。 本剤はpaclitaxelに比べ低いものの、carboplatinに比べ高いin vitro増殖抑制を示した。また担がんマウス腫瘍体積の増大を有意に抑制し、かつ微小管阻害薬にみられる歩行障害を示さなかった。本剤は、securinの発現増大を伴ってM期の割合を増やし、下流の活性酸素発生を増加、Bax発現、およびカスパーゼ活性を介してアポトーシス誘導、抗腫瘍効果を示すことが明らかとなった。本研究で新規合成KSP阻害剤が、副作用の少ない抗がん剤になる可能性が示唆された。
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