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2013 年度 実施状況報告書

卵巣がん腹膜転移におけるMETおよび播種に関わる新規分子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25462620
研究機関大阪医科大学

研究代表者

金村 昌徳  大阪医科大学, 医学部, 講師 (40298782)

研究分担者 大道 正英  大阪医科大学, 医学部, 教授 (10283764)
田中 良道  大阪医科大学, 医学部, 助教 (10625502)
恒遠 啓示  大阪医科大学, 医学部, 助教 (70388255)
田辺 晃子  大阪医科大学, 医学部, 講師 (70454543)
寺井 義人  大阪医科大学, 医学部, 准教授 (90278531)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード腹膜播種 / 中皮-間葉転換
研究概要

卵巣がんが腹膜播種病巣を形成する過程で、腹膜中皮細胞の防御機構の破綻がおこり、いわゆる”ミルキースポット”と呼ばれる腹膜中皮の欠損および中皮下組織の露出をおこるとされているが、腹膜病巣を形成する点で類似していると考えられる病態に子宮内膜症があり、内膜症患者の腹水中にHGFが高濃度に存在するという報告をもとに、腹膜中皮細胞の防御機構の破綻にHGFが何等かの関与をしていると考えた。それを解明するために、まず子宮内膜症細胞株(EMosis-CC/TERT)にエストロゲン刺激を行い、その培養上澄を、中皮細胞株(MES-F)の培養液中に添加したところ、中皮細胞の間質細胞様形態変化を生じ、細胞間接着が減弱し細胞間隙が生じるという結果を得た。さらにその培養上澄中のHGF濃度をELISAで測定したところエストロゲン刺激の濃度依存性に上昇しており、ウエスタンブロット法で中皮細胞側の接着因子であるE-cadherinの発現がタンパクレベルで減弱しているという知見を得た。さらにN-cadherinの発現亢進やサイトケラチンの減弱、ビメンチンが発現亢進しており、中皮-間葉転換が起こっていることがわかった。これらの事象は、中皮-間葉転換にHGFが関与しており、さらに、その結果、中皮細胞間に間隙が生じ、いわゆるミルキースポットを形成するというメカニズムの存在を示唆するものである。以上の結果を受けて、次の段階として卵巣がんが腹膜播種病巣を形成する過程を検証するにあたり、同様の現象が存在するのかを、卵巣癌細胞株を用いて中皮細胞株と共培養を行うことでHGFや接着因子等の発現変化を検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

子宮内膜症細胞と中皮細胞間ではあるが、HGFが腹膜播種病巣を形成する過程でのkeyとなる因子であることを同定し、さらに重要なステップとして中皮細胞側に中皮-間葉転換が生じていることを明らかにした。

今後の研究の推進方策

卵巣癌においても子宮内膜症と同様の機序で播種病巣が形成されるのかを検証するために、卵巣癌細胞株を用いて中皮細胞株と共培養を行うことでHGFや接着因子等の発現変化検証する。さらに、生体から摘出された卵巣がん播種病巣の腹膜との関係も、病理組織学的観点から検証予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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