研究は哺乳類蝸牛を研究対象とし、(1)蝸牛感覚上皮発生過程において、複数のシグナル伝達系の関与や相互作用につき解明すること、および(2)前項のシグナル伝達系の下流因子のなかから、前駆細胞を増殖停止へ進める鍵、さらに増殖停止した前駆細胞を分化へと進める鍵、および有毛細胞と支持細胞また内有毛細胞・外有毛細胞の別を決定する鍵となる因子を同定することを目的にしている。 実験はマウスを用い、最初の2年ではシグナル伝達系を複数操作し蝸牛感覚上皮発生各時期における関与・相互作用をみる実験を施行する。 生体内での操作は遺伝子改変マウスによって行い、試験管内の培養蝸牛での操作は遺伝子導入(プラスミドベクターを電気穿孔法で)あるいは培地に薬品を添加する。
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