研究課題/領域番号 |
25462638
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
喜多 知子 (嶋知子) 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (20362519)
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研究分担者 |
中川 隆之 京都大学, 医学研究科, 講師 (50335270)
本田 晶 国立研究開発法人理化学研究所, 多細胞システム形成研究センター, 研究員 (50443023) [辞退]
Raj Ladher 国立研究開発法人理化学研究所, 多細胞システム形成研究センター, 特別主管研究員 (70392173) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 内耳 / 感覚毛 / FGFシグナル |
研究実績の概要 |
本研究は、内耳有毛細胞の感覚毛先端に局在する繊維芽細胞増殖因子受容体(FGFR1)の役割の解明を目指すものであり、感覚毛の形態と有毛細胞の維持に関する観察と分子間相互作用による評価を進めてきた。 今年度は、これまでの成果を論文投稿するため、以下の追加実験を行った。 まず、cdh23とpcdh15との相互作用をみるためにLLC-PK1細胞に各遺伝子を強制発現し、その蛋白の同局在を調べた。ともに膜蛋白であるため、別々に単独遺伝子で発現させた後に、継代の際に両方の細胞を混ぜてしばらく培養した後に顕微鏡観察をした。いずれの蛋白も非常に大きな分子のため、発現効率が低く(25%程度)かつ、近接する細胞における同局在の有無が高解像度顕微鏡(AiryScan)を用いても実証できなかった。今後、海外の共同研究先にFRET等の検討を依頼する予定である。 「FGFシグナルがpcdh15のリン酸化を調節している」という現象は、cell lineを用いた検討で既に我々が明らかとしてきたが、実際に内耳蝸牛組織で生じているかの検証は行われていなかった。WBの検討の結果、FGFR1阻害剤(SU5402)添加の有無によるpcdh15のリン酸化には違いはなかった。この原因として、pcdh15のリン酸化検出にanti p-Tyr抗体を用いたため、似た分子量で異なる蛋白のリン酸化を検出した。あるいは内耳蝸牛器官培養のlysateの検討であり、有毛細胞のみのlysateでないため、他の細胞のリン酸化を検出した可能性も考えられる。今後はFACS等で細胞ソートしてからの検討が望ましい。
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