研究課題
自己骨髄単核球を用いた再生療法は虚血性心疾患や末梢動脈閉塞症での有用性が報告されている。骨髄単核球による虚血改善効果は移植する骨髄単核球分画に含まれる骨髄幹細胞の数に依存することが知られている。そして加齢と共に骨髄幹細胞の数が減少しているだけでなく、幹細胞の機能も低下していることも知られている。そこで本研究では幼年期の砂ネズミより採取した骨髄単核球を用いた細胞治療が虚血性内耳障害を軽減させる効果があるかどうかを、老齢砂ネズミ虚血性内耳障害モデルを用いて検討した。前年度は幼若な砂ネズミより採取した骨髄単核球を移植した場合、老令砂ネズミより採取した骨髄単核球を移植した場合より虚血性難聴の改善傾向を認めた。そこで本年度は実験回数を増やして検討した所、統計的に有意な改善効果を認めた。更に磁気ビーズ細胞分離用を用いて、骨髄単核球のうちCD31又はCD34陽性分画を除いた骨髄単核球に、虚血性難聴の改善効果があるかどうかを検討したところ、CD31又はCD34を除外しても虚血難聴の改善効果に大きな差を認めなかった。またCD31又はCD34単独で投与しても虚血難聴の改善効果を認めなかった。以上の結果より骨髄単核球による虚血性難聴保護効果はCD31又はCD34陽性細胞の単独の作用によるものではないことが明らかとなった。
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