研究課題
我々は遺伝性難聴で最も高頻度に発生するコネキシン26遺伝子変異の遺伝子改変モデル動物を開発し、その病態を明らかにするとともに(Kamiya et al., 2014, J Clin Invest)、これらの聴力改善を目指した遺伝性難聴の幹細胞治療法の開発を進めてきた(Kamiya et al., 2007, Am J Pathol)。内耳細胞治療において作製された細胞を蝸牛組織の異常部位へ直接挿入することは蝸牛の構造上困難であり、適切な箇所に幹細胞を導入できる細胞誘導システムが必須であると考えられる。我々は実験的に誘発した蝸牛線維細胞損傷部において、他臓器における幹細胞ホーミング因子とされるMCP1およびSDF1が高発現することを発見した。さらに間葉系幹細胞の培養下でMCP1およびSDF1での前処置を行ったところ、それらの受容体であるCCR2およびCXCR4の発現量が定量的RT-PCRにより有意に上昇することが確認できた。更にフローサイトメトリー分析により間葉系細胞の細胞表面のCCR2およびCXCR4を高発現する細胞数が有意に上昇することも確認できた。同処置により内耳への誘導効率が増強された骨髄間葉系幹細胞を作製することが可能となった。さらに我々はマウスiPS細胞から分化誘導した内耳前駆細胞においても同様の処置を行ったとことろ、間葉系幹細胞と同様にホーミング因子受容体の発現上昇が確認できた。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 10件)
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