再生医療のために幹細胞を蝸牛組織の異常部位へ直接挿入することは蝸牛の構造上困難であり、適切な箇所に幹細胞を導入できる細胞誘導システムが必須であると考えられる。我々は実験的に誘発した蝸牛幹細胞損傷部位において幹細胞ホーミング因子MCP1およびSDF1が高発現することを動物実験において実証した。さらに間葉系幹細胞の培養下でMCP1とSDF1の前処理により、受容体CCR2およびCXCR4のmRNA発現が有意に上昇することを定量的RT-PCRで実証した。さらにフローサイトメトリー分析により間葉系幹細胞の細胞表面のCCR2およびCXCR4を高発現する細胞が有意に増加することを実証した。
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