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2013 年度 実施状況報告書

黄色ブドウ球菌、常在細菌群のアレルギー性鼻炎病態に及ぼす影響、その基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 25462659
研究機関筑波大学

研究代表者

斎藤 慎二  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50195989)

研究分担者 大庭 良介  筑波大学, 医学医療系, 助教 (30447883)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード鼻腔上皮細胞 / 気相液相界面培養 / アレルギー応答調節
研究概要

本研究計画では、鼻腔常在細菌、特に「黄色ブドウ球菌の定着・共生を発端に定着菌-鼻腔上皮細胞間で展開するコミュニケーション応答により鼻腔環境でのアレルギー応答に変調をもたらす」という仮説を立て、その検証を行っている。
1. 定着菌-上皮細胞間のダイレクトな応答を明らかにするため、その解析に用いるin vitroモデルの構築は最重要課題である。ヒト鼻腔上皮由来細胞株RPMI 2650細胞を一定期間、気相液相界面培養を行い、tight junction形成タンパク質であるclaudin-1やtricellurinの局在変化を検討したところ、tricellurinの細胞結合部への特異的局在変化を認めた。これは、細胞間tight junctionが形成され、本細胞株の欠点であった細胞極性の欠損が回復されたことを示しており、本細胞株のin vitro モデル培養系構築への有用性が裏付けられた。
2. 通常行われる液相下培養下のRPMI 2650細胞が、LPSなどのTLRリガンドに対する反応性を示さないことは、この培養条件下では、細胞表層でのTLR2、TLR4などの対応する受容体の発現が欠損、もしくは抑制されていることが明らかになった。また、黄色ブドウ球菌の認識にはエンドサイトーシスによる菌体の細胞内への取り込みが必要であり、細胞応答の程度と、細胞表層に接着する菌量および、細胞内に取り込まれる菌量とが相関することが明らかになった。RPMI 2650細胞の菌体認識機構の一端が明らかにはなったが、対応する受容体については解析を継続している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

In vitroの鼻腔粘膜モデルの構築にあたり、その主たる遂行者の一人である研究協力者の大学院学生の長期病気療養により、その遂行に大幅な遅れが生じ、その後の研究展開にも影響を与えてしまった。また、鼻腔上皮細胞の応答解析に用いる器材の購入後のトラブル対応なども加わり、進捗状況は予定より遅れていると認めざるを得ない状況である。

今後の研究の推進方策

研究の進捗状況は25年度遂行項目に対して大きく遅れている状況で有り、早急な研究展開を行う必要がある。25年度の積み残しでもあるマイクロアレイによる網羅的解析など早期に実施するとともに、in vitro の鼻腔粘膜モデルの構築、多細胞系再構成モデルの構築の達成に努める。また、研究協力者の再配置や可能な限り外部受託解析等の利用により研究進捗の速度アップを計る予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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