本研究は、内視鏡下鼻副鼻腔手術の術前、術中、術後の評価法を開発して提唱した。嗅覚障害の病態解明のために、メンソールを含む嗅覚研究用検査、嗅覚検査(T&Tオルファクトメトリーによる平均認知域値、静脈性嗅覚検査)の結果を検討した。術中所見は、副鼻腔と嗅裂部の粘膜と貯留物の性状からスコア化を試みた。術後評価は、内視鏡スコア(Eスコア)を提唱して妥当性と有用性を報告した。好酸球性副鼻腔炎は重症な嗅覚障害をきたして難治性であることを報告した。基礎研究は、ラット膝神経節におけるメンソール、カプサイシン受容体(TRPM8、TRPV1)などの発現が鼓索神経切断モデル後に低下することを報告した。
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