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2014 年度 実施状況報告書

IgG4関連疾患の病態の解明と新規分子を標的とした治療戦略の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 25462675
研究機関山形大学

研究代表者

太田 伸男  山形大学, 医学部, 非常勤講師 (20282212)

研究分担者 太田 裕子  羽陽学園短期大学, 幼児教育科, 准教授 (40442016)
武田 裕司  山形大学, 医学部, 助教 (90302299)
阿部 靖弘  山形大学, 医学部, 助教 (80420058)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードIgG4関連疾患 / バイオマーカー / EBウイルス / 自己免疫性膵炎 / ミクリッツ病 / ぺリオスチン
研究実績の概要

IgG4関連硬化性疾患は、新しい疾患概念で全身の諸臓器にCD4ないしCD8陽性Tリンパ球とIgG4陽性形質細胞が浸潤する全身性疾患である。そのIgG4陽性形質細胞の浸潤は,膵臓、胆管、唾液腺、甲状腺、後腹膜などに認められることが多い。キュットナー腫瘍などの硬化性唾液腺炎、自己免疫性膵炎、原発性硬化性胆管炎、後腹膜線維症と独立して診断されてきた疾患は、この新しい疾患概念であるIgG4関連硬化性疾患の一つの表現型である可能性が示唆されている。診断は唾液腺、涙線などの両側対称性の肥大と血清中のIgG4の上昇あるいは組織中のIgG4陽性形質細胞の確認によってなされている。耳下腺、顎下腺など唾液腺の腫脹を初発症状とすることが多いが、膵臓や胆管に病変が進展し自己免疫性膵炎や硬化性胆管炎などの重篤な合併症をおこす可能性があり、早期に診断し治療を開始することが重要である。また、病理学的には腺組織の高度な破壊像と繊維化が認められており、この病態にはTh17細胞、Th1細胞とTh2細胞が関わり、繊維化にはペリオスチンやTGFなどのサイトカインや分子が関与していると推測される。今年度は、安全確実で低侵襲な診断方法の確立と疾患管理上有用なパイオマーカーの確立の確立のためにIgG4関連硬化性疾患の病態、特にTh17の関与および繊維化におけるペリオスチン分子の関与について検討した。その結果、全身合併症としては自己免疫性膵炎が最も多かった。IgG4関連硬化性疾患患者から得られた腺組織にはペリオスチンとIL-17の過剰発現が認められた。ペンドリンの発現は、対照と比較して減弱しており、これは腺管構造の破壊に伴う変化と考えられた。これらの所見から、IgG4関連硬化性疾患の硬化にはペリオスチンとIL-17が重要な役割を果たしており、これら分子を標的とした治療法の開発が新たな道を開く可能性があると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画された研究は順調に進行しており、研究の成果は複数の欧文誌および学会にて報告した。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策であるが、IgG4関連硬化性疾患に対するIL-17やぺリオスチンを標的とする治療方法の開発は現有する機器と試薬で施行可能であり、研究計画の変更の予定はない。研究の最終年度であり、研究成果を国際学会や欧文誌にて報告する予定である。

次年度使用額が生じた理由

使用する免疫染色用の抗体の購入に時間を要し、納品が次年度に繰り越しになったため。

次年度使用額の使用計画

使用する予定の抗体等の納品は遅れたが、次年度の早期に納品される予定であり、研究の遂行には問題ない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The expressions and roles in otolarygological diseases.2014

    • 著者名/発表者名
      Ohta N, et al
    • 雑誌名

      Allergology International

      巻: 63 ページ: 171-180

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] IgG4関連疾患の唾液腺外合併症は予測できるか?2014

    • 著者名/発表者名
      太田伸男、他
    • 学会等名
      第63回日本唾液腺学会
    • 発表場所
      東京 文京学院大学本郷キャンパス
    • 年月日
      2014-12-06 – 2014-12-06

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公開日: 2016-05-27  

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