本研究の目的は、必須アミノ酸のうち、筋タンパク質合成促進にとって重要とされるロイシン、イソロイシン、バリンなどの分岐鎖アミノ酸(BCAA)の嚥下障害への関与を解明することにある。基礎データとして若年、高齢マウスにおける嚥下関連筋群と、コントールとする四肢筋における形態的評価を行った。実験動物として生後4週(成熟期=小児)、12週(繁殖期=成人)、52週(老齢期=老人)のマウスを作成、使用した。前頸筋群、舌、咽頭収縮筋、喉頭およびヒラメ筋を採取後、筋湿重量を測定。3片に分け、1片はヘマトキリシンエオジン染色による観察。アセチルコリンエステラーゼ染色による神経筋接合部の観察、ミオシンATPase染色による筋線維のタイプ分類を行い、各年代のマウスで比較、検討を行ったが有意差を認めなかった。また標本の各部位におけるアンドロゲン受容体(AR)およびプロゲステロン(PR)、エストロゲンαおよびβ受容体(ERα、ERβ)、IGF受容体(IGF-IR)の局在および密度を免疫組織学的に解析したが有意差を認めなかった。 BCAA投与マウスを作成し、同様な解析を行う予定である。
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