口蓋扁桃サンプルを用いた検討の結果、IgA腎症の患者の口蓋扁桃の単核球におけるbcl-2の発現が著明に増加していた。また末梢血単核球においてもbcl-2の発現が著明に増加していることも明らかにした。これらの結果より糖鎖不全IgAの産生にはbcl-2が関与している可能性が示唆された。LPS、HP抗原で刺激をした末梢血単核球においてIgA産生が誘導されたがbcl-2を抑制しても糖鎖不全IgAの産生抑制は認められなかった。しかしながらbcl-2がIgA腎症の病態形成に関与する可能性は高く、bcl-2の補体産生誘導などのメカニズムも考えられ今後更なる検討が必要である。
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