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2013 年度 実施状況報告書

レム関連睡眠時無呼吸の病態解明と治療応用

研究課題

研究課題/領域番号 25462679
研究機関産業医科大学

研究代表者

北村 拓朗  産業医科大学, 医学部, 助教 (60341509)

研究分担者 宮崎 総一郎  滋賀医科大学, 医学部, 特任教授 (20200157)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードレム関連睡眠時無呼吸 / 睡眠時無呼吸症候群 / 睡眠呼吸障害
研究概要

無呼吸低呼吸指数5以上にて閉塞性睡眠時無呼吸症候群と診断された成人患者505名のうち、ノンレム期の仰臥位、側臥位、レム期の仰臥位、側臥位の全ての条件で10分以上の睡眠が記録された214名を対象とし以下の研究を行った。
1)RPIに関連する因子の特定
レム関連性の程度を表す指標として、レム優位性指数(REM predominant index: RPI) を算出した。RPIは、次の計算式で表される。“RPI = log (REM AHI + 0.5) -log (NREM AHI + 0.5)” RPIを従属変数とした重回帰分析を行った。独立変数には、年齢、性別、肥満度、AHI、仰臥位優位性指数(SPI)などを用いた。その結果、ステップワイズ法でのRPIの予測式は次の如くであった。"RPI=0.541-0.008*AHI-0.319*SPI (R2=0.146, p<0.001)"この結果より、レム関連睡眠時無呼吸の出現に体位依存性が負の影響を及ぼしていることが明らかとなった。
2)レム関連性と体位依存性の相互作用についての検討
各条件でのAHIを算出し、仰臥位、側臥位における呼吸障害のレム関連性の有無によって対象を次の4群に分類し、群間比較を行った。①仰臥位、側臥位ともにレム関連性が認められる群(SLR群)、②仰臥位でのみレム関連性が認められる群(SR群)、③側臥位でのみレム関連性が認められる群(LR群)、④仰臥位、側臥位ともにレム関連性の認められない群(NR群)。その結果、1)レム関連睡眠時無呼吸の出現は体位による影響を受け、出現しやすい体位は症例によって異なる。2)仰臥位のレム関連性がOSASの重症度に関連していることから、レム関連性の評価は仰臥位のみで行った方が良い可能性がある。3)SLR群では女性の占める割合が高く、体位依存性が少ないことが関与していることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

レム関連睡眠時無呼吸に関連する因子解明のために多変量解析を行う十分な症例数を得ている。
レム関連睡眠時無呼吸の病態に体位依存性の関与が大きいことが明らかとなった。

今後の研究の推進方策

レム関連睡眠時無呼吸の上気道形態や閉塞様式の病態解明について引き続き、セファロメトリー、鼻腔通気度検査を用いた解析を行う予定としている。
レム関連睡眠時無呼吸のアウトカム評価およびレム関連性の病態に沿った診療アルゴリズムの作成についてはさらに対象症例を増やし、研究を進めていく予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度科研費の使用について、当初予定にて購入予定であった上部消化管内圧検査システム(スターメディカル㈱)より変更し、鼻腔通気度計(日本光電九州㈱)を購入したため次年度使用額が生じた。変更の理由は下記の通りである。
本研究では、レム関連睡眠呼吸障害に特徴的な上気道閉塞機序を解明するための主たる評価項目の一つとして、鼻腔通気度検査による鼻腔および上咽頭の狭窄評価を予定している。当初の計画では滋賀医科大学病院が保有する鼻腔通気度計(MPR-3100)を利用する予定であったが、研究代表者が所属変更となり変更後の施設にて新たに鼻腔通気度計を購入する必要が生じた。
資料収集のため、国内外の学会・研究会参加、研究打合せ、および
本年度に行った学会発表の論文投稿、英文校正などに使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] レム関連睡眠時無呼吸に影響する因子の検討2013

    • 著者名/発表者名
      北村 拓朗 , 宮崎 総一郎 , 鈴木 秀明
    • 学会等名
      第26回日本口腔・咽頭科学会総会ならびに学術講演会
    • 発表場所
      ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋
    • 年月日
      20130912-20130912
  • [学会発表] レム関連睡眠時無呼吸に対する体位の影響2013

    • 著者名/発表者名
      北村 拓朗 , 宮崎 総一郎 , 加根村 隆 , 大川 匡子
    • 学会等名
      第38回日本睡眠学会
    • 発表場所
      秋田キャッスルホテル
    • 年月日
      20130628-20130628

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公開日: 2015-05-28  

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