研究実績の概要 |
頭頸部癌における有用性の高いマーカーの確立を目的として血清SCC抗原の構成成分であるSCCA2に着目して研究を継続した。 最終年度は培養細胞、臨床サンプルを用いて実験を行った。 まず4種の頭頸部扁平上皮癌細胞株からタンパクを抽出後、ELISA法にてSCCA1,SCCA2タンパク濃度の測定を行った。その結果、SCCA2/SCCA1比が1.5~3.2であり、いずれの細胞株もSCCA2タンパク濃度が高いという結果であった。同様に凍結組織からタンパクを抽出し、SCCA1,SCCA2タンパク濃度の測定を行ったところ、ばらつきはあるものの、癌組織ではSCCA2タンパク濃度が高い傾向が確認できた。頭頸部癌症例からの血清SCCA2濃度に関しては詳細な検討を行うことができず今後の課題である。
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