研究課題
1) E-cadherin低発現頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)細胞に対し,選択的Cox2阻害によるEMT抑制を介した抗腫瘍効果が示唆された。舌SCC症例において,Cox2とE-cad転写抑制因子の発現亢進およびE-cad発現低下の臨床的悪性度の進行との相関を認めた。2) 舌SCC細胞において,SP細胞ではnon-SP細胞に比べ転写因子Oct3/4,Nanogの発現,および遊走能・浸潤能が高かった。Stage I/II舌SCC症例において,後発頸部リンパ節(LN)転移の独立相関因子はOct3/4発現と静脈侵襲であった。3) Flt-4発現HNSCC細胞において,Flt-4刺激/阻害によるCNTN-1とVEGF-C自身の発現亢進/抑制を介した増殖能・遊走能の亢進/抑制を認め,即ちVEGF-Cの癌細胞自身に対するautocrine機構の存在が示唆された。舌SCC症例において,癌細胞のFlt-4発現は頸部LN転移の独立規定因子であった。4) 頭頸部腺様嚢胞癌の臨床検討で5年/10年疾患特異的生存率(CSS)は73.9%/62.4%,5年/10年非担癌生存率(DFS)は64.3%/59.7%で,独立予後因子はCSSでは神経周囲浸潤,DFSでは切除断端であった。5) 唾液腺導管癌の自施設臨床検討において,3年DFS/CSSは29.2%/72.7%,DFSの独立予後因子は年齢とT分類で,HER2およびAR発現陽性率は50%および100%でいずれも予後との相関は認めなかった。多施設共同の141例の検討において,3年粗生存率(OS)/DFSは70.5%/38.2%,独立予後因子はOSでは年齢とN因子,DFSでは亜部位とN2以上で,最頻再発様式は遠隔転移(39%)であった。6) 咽頭SCC細胞において,選択的Cox2およびPGE2受容体阻害により,EMT抑制を介した遊走能抑制が認められた。
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Ann Surg Oncol
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http://www.keio-ent.jp/practice_tumor.html