研究課題/領域番号 |
25462697
|
研究機関 | 公益財団法人田附興風会 |
研究代表者 |
山下 勝 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第5研究部, 主任研究員 (10635519)
|
研究分担者 |
金丸 眞一 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第5研究部, 研究主幹 (00271510)
中村 達雄 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (70227908)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | マウス / 声帯 / 骨髄移植 / 創傷治癒 / 骨髄由来幹細胞 / 内視鏡下手術 / 細胞代謝回転 |
研究実績の概要 |
声帯粘膜における細胞代謝回転の機構を明らかにすること、また声帯傷害時の創傷治癒機転での骨髄細胞の寄与の程度を明らかにするため下記実験群を計画し、それぞれ施行した。 1.実験環境整備: 麻薬使用に関する環境構築は、関係機関の承認を得たうえで終了した。2.内視鏡下マウス声帯傷害モデル: 3種の特殊な微小手術機器をデザインの上、外注し作成した。また、オリンパス社製30度鼓膜斜視鏡を購入した。記録装置についても機器の設置、整備が終了した。3.骨髄移植モデル: GFP-C57/BL6マウスの大腿骨骨髄をwild-typeのC57/BL6マウスの大腿骨に移植するモデルを作成した。少数の手術ではあるが、術中・術後死は一例も認めなかった。4.骨髄移植動物への声帯傷害作成: 上記3の動物に、2の声帯傷害を作成した。移植後二ヶ月および三ヶ月経過した動物に対して、片側の声帯傷害を作成した。いずれも術後一週間で標本採取とした。 現在は4の動物の評価段階である。健側の声帯は正常であるため、それぞれ二ヶ月および三ヶ月経た状況での骨髄細胞の正常声帯細胞代謝回転への寄与度を反映していると推定される。一方、声帯傷害側では声帯傷害時点での骨髄細胞の動員が評価される事となり、左右の声帯のGFP陽性細胞の評価、ならびに種々の抗体での染色により、骨髄細胞の数的な影響、分化を含めた質的な影響を測定することが理論上可能となる。 次年度はこれらの結果をもとに、時間や傷害のバリエーションを増やすとともにノックアウトマウスへの応用を検討する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
機器の試作や外部業者への特殊材料発注の影響、ならびに動物の手配・実験・評価などに遅れを生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
採取した声帯およびコントロール臓器(肝・脾)のGFP陽性細胞の評価を行う。この結果に応じて、移植後の手術の至適時期について検討を行う。また、当初の目的であるノックアウトマウスへの手技応用まで是非行いたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
動物実験および結果の評価の遅れによる。
|
次年度使用額の使用計画 |
評価を行うための試薬、実験展開のための動物購入、成果公表のための発表・論文作成費として使用予定である。
|