研究課題/領域番号 |
25462706
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
奥田 徹彦 金沢大学, 医学系, 助教 (10361990)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ハニカムフィルム / 緑内障 / トラベクレクトミー |
研究概要 |
家兎10羽の両眼にハニカムフィルムを併用した緑内障濾過手術を行った。パクリタキセルを含有した薬剤溶出ハニカムフィルム(濃度10μg、5μg、0.5μgを各5眼)、薬剤なしのハニカムフィルムを5眼に留置した。経過観察として手持ち眼圧計(トノペン)による眼圧測定、手術用顕微鏡による濾過法の記録、超音波生体顕微鏡(UBM)による濾過胞の形状観察を行い、経過観察終了後に組織学的検討を行った。経過観察期間は1カ月とした。薬剤溶出ハニカムフィルム群では濃度に関係なく全例で濾過胞が生存し、薬剤なしフィルム群では2眼で濾過胞が消失した。薬剤溶出ハニカムフィルム群では薬剤なしフィルム群よりも有意に眼圧下降が得られた。また薬剤溶出ハニカムフィルム群では濃度依存性に眼圧下降が見られたが、濃度間では有意差は認めなかった。濃度10μg、5μgの薬剤溶出ハニカムフィルム群では術後に広範囲に無血管性濾過胞を認めたが、濃度0.5μg群では術後に全く無血管性濾過胞は形成されず、UBM検査でも、十分な濾過スペースを保っていた。また組織学的検査においても濃度10μg、5μgの薬剤溶出ハニカムフィルム群では結膜上皮の脆弱化や部分的欠損を認めたが、濃度0.5μg群では健常な結膜上皮を維持していた。また薬剤溶出フィルム群では薬剤なしフィルムよりも有意にfibrosisを抑制していた。以上より濃度0.5μgのパクリタキセル溶出ハニカムフィルムは、無血管性濾過胞の形成を予防しつつ、瘢痕の少ない濾過胞の形成、維持に有用である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した25年度の研究計画は概ね実施できた
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書に記載したごとく、26年度の研究計画を実施する予定である
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度に使い切る予定であったが端数が余剰した。 少額であり、次年度の物品購入などに充てる予定である
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