研究課題
この3年間に蓄積した51例では、正常なL-Mの遺伝子の並びを持つ例が計6存在した。正常な遺伝子の並びを持つ1型2色覚2例のうち1例は-99T>Gの塩基置換、他の1例はイントロン2に+3A>Cの塩基置換(いずれも新規)を持っていた。-99Tは、PCE-1を構成している塩基であった。+3A>Cでは、コドン115~137が抜けたmRNAのみが作られることが分かった。2型3色覚524例中の62例(今回の4例を含む)において-71A>Cが見出された。L/M錐体の分化には甲状腺ホルモン(T3)が必須である。そこで、-71Aあるいは-71Cのプロモーターを挿入したレポータープラスミドを培養細胞にトランスフェクトし、T3を添加してルシフェラーゼ活性を測定した。-71AではT3添加により活性が上昇したが、-71Cでは全く効果が見られなかった。2型3色覚の中に、少数のM錐体、あるいは視物質の濃度が低いM錐体によるものが存在する可能性が示唆された。エキソン3の特殊なハプロタイプにより、当該エキソンがスプライシングにおいて完全にスキップされる。スプライシングにおいて保持されるエキソン3をOKエキソン3、スキップされるものをNGエキソン3とした。LオプシンのcDNAにNGエキソン3を挿入しGFPベクターにクローニングした。光る細胞が出現するかどうかでスクリーニングを行った。コルセミドを添加すると光る細胞が出現することが分かった。エキソン認識に重要なSRタンパク質、イントロン認識に重要なhnRNPタンパク質のcDNAを発現ベクターにクローニングし、それらを発現した細胞からの抽出液を用いて解析した。OKエキソン3のRNAにのみSR1とSR3が結合可能であった。一方、hnRNPタンパク質は、F、H1あるいはH2がNGエキソン3のRNAにのみ結合できることが分かった。
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