研究課題/領域番号 |
25462713
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤木 忠道 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30580112)
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研究分担者 |
後藤 謙元 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20632095)
池田 華子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20372162)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 波長走査型光干渉断層計 / 篩状板解析 / 強度近視眼 / 遺伝子 |
研究実績の概要 |
波長走査型光干渉断層計を用いて強度近視眼を対象に原発開放隅角緑内障眼129眼と正常眼55眼の篩状板解析を行った。非強度近視の原発開放隅角緑内障眼では7%程度に篩状板部分欠損を認めることを以前報告していたが、今回の強度近視眼では原発開放隅角緑内障の54.2%と高率に篩状板部分欠損を認めることが分かった。一方、強度近視眼の非緑内障眼では1.8%のみに認める結果であった。また、篩状板部分欠損の存在は視神経乳頭の水平方向の変形に関係するパラメータと強い相関を認め、intrachoroidal cavitationと呼ばれる視神経乳頭近傍の脈絡膜腔隙の存在とも有意に関係することが分かった。これらの結果から強度近視の原発開放隅角緑内障では視神経乳頭の変形に伴って篩状板部分欠損が生じることが示唆された。強度近視における篩状板部分欠損が傍中心視野障害と関係が強いことも分かってきており、早期から中心視野障害を生じやすい症例を見分ける方法の一助となる有用な情報と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
波長走査型光干渉断層計を用いた画像解析に関しては順調に画像取得できているが、追加処置などによる解析対象から脱落する症例もあり対象症例がやや減少している。一方で遺伝子解析に関しては、強度近視眼の緑内障発症に関するCDKN2B-AS1の関連に関してはすでに論文化を完了したが、手術施行例の緑内障眼のDNAサンプル解析は現在進行中である。今後随時進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はDNA解析を進めて、他の臨床情報との相互関係について解析する。 補償光学適用走査レーザー検眼鏡(AO-SLO)による篩状板孔の画像解析に関しては術後眼の画像取得が難しいことから予定通りに進んでいなかったが、撮影速度の向上、画角の拡大といったハード面の改善により現在は以前よりも画像取得がしやすい状況になったため、随時画像解析を進行する。
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