研究課題
眼圧下降治療に伴って篩状板の形状変化が生じることを再確認できた。緑内障手術後の篩状板形状変化は、眼圧下降度、年齢、緑内障の重症度、術前の篩状板後方変位の程度と関連を認めた。しかし、今回の検討では術後の篩状板形状変化の程度と視野障害進行抑制との相関は明らかではなかった。視野障害進行抑制に対する篩状板形状変化の関与が小さい可能性以外に、視野検査というバラツキを有する自覚検査の特性上、比較的短期間の経過で有意な判定を得ることが難しいことが影響している可能性がある。強度近視の緑内障眼では篩状板のみならず乳頭周囲の強膜にも多彩な形状変化が生じていることを明らかにした。このことは、眼圧依存性の高い眼球内の部位が症例によって異なる可能性を示唆する。ただし、それらの変化に対する遺伝的因子の関与は本研究では明らかにすることはできなかった。原発開放隅角緑内障の感受性遺伝子としてCAV1/CAV2 (7q31.1)、CDKN2B-AS1 (9p21.3)、ABCA1 (9q31.1)などの報告があり、特にCDKN2B-ASは正常眼圧緑内障との関連性が複数の施設から示唆されている。強度近視の緑内障患者237名とコントロール276名を対象にCDKN2B-AS1の緑内障発症への関与を検討した結果、強度近視の緑内障眼に対してCDKN2B-AS1は少なくともオッズ比1.70以上の関与は無いことが確認できた。強度近視眼の緑内障は、非強度近視眼の緑内障とは発症に関与する因子が異なる可能性が考えられる。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 謝辞記載あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
JAMA Ophthalmol
巻: 134(2) ページ: e153674
10.1001/jamaophthalmol.2015.3674.
巻: 134(3) ページ: 304-311
10.1001/jamaophthalmol.2015.5765.
Ophthalmology
巻: 123(3) ページ: 542-551
10.1016/j.ophtha.2015.10.061
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol
巻: 254(2) ページ: 343-349
10.1007/s00417-015-3210-0
Ophthalmic Genet
巻: 37 ページ: 242-244
10.3109/13816810.2015.1020559
J Glaucoma
巻: 25 ページ: e481-e490
Invest Ophthalmol Vis Sci
巻: 56 ページ: 5477-5484
10.1167/iovs.15-16704
Clin Ophthalmol
巻: 15 ページ: 1081-1084
10.2147/OPTH.S80444
PLoS One
巻: 10 ページ: e0130175
10.1371/journal.pone.0130175
巻: 253 ページ: 1143-1152
10.1007/s00417-015-3026-y